労務管理の豆知識No.16<働き方改革とは>
今年は、「働き方改革」が政府により推進されています。急に「働き方
改革」が叫ばれるようになった背景には、少子化により労働力不足が
深刻化していることがあります。長時間労働をできるだけ少なくして、
誰でも労働市場に参入できるようにしようというわけです。
企業としては、どのような取り組みが必要か、考えてみましょう。
1.働き方改革の目玉
長時間労働は、36協定により時間外労働を認めるのですが、特
別条項により無制限に残業が認められる状態となっており、これが
過労死の温床となってしまいます。
そこで、時間労働の上限を定める動きとなっており、法改正が議
論されています。目途として月80時間を超える時間外労働は厳しく
指導されることになりそうです。
仕事があるのに残業を減らせということは、中小企業にとっては、
生産性を高めることが課題となります。職場の改善活動や5S、ムダ、
ムリ、ムラの排除、会議の効率化など、いろんな手法を駆使して、生
産性を高める取組みが必要となります。
2.正社員と非正規従業員との格差是正
もう一つの働き方改革の目玉は、正社員と非正規従業員との格差
是正です。同じ仕事をしているのに賃金に大きな差があることが、問
題視されています。国際的にも「同一労働同一賃金」が標準ですので、
正社員は非正規従業員よりも付加価値の高い仕事をしないと不満の
原因となります。
仕事に対応した賃金である職務給導入の動きも、今後さらに拡大
するものと思われます。非正規雇用に支給していなかった手当を支
給るのではなく、正社員への手当の見直しの動きが広がるかも知れ
ません。
要するに、正社員の賃金も含めて、賃金制度の見直しが始まる可
能性が高まります。評価に対応した公平公正な賃金も必要となりま
す。
関連記事
- コロナ禍の子育て支援
- 自営業等をしている従業員の雇用保険が拡大されました
- 在宅ワークの推進のポイント
- 働き方改革がスタートしました
- 労務管理の豆知識No.17<危機管理について>
- 労務管理の豆知識No.15<兼職禁止について>
- 労務管理の豆知識No.14<5Sの実践で勤労意欲を高める>
- 労務管理の豆知識No.13<経営幹部の育成方法>
- 労務管理の豆知識No.12<退職後の手続き>
- 労務管理豆知識No.11<労働契約法改正への対応>
- 労務管理豆知識No.10<高齢者雇用安定法改正への対応>
- 労務管理豆知識No.9<社員の病気への対応>
- 労務管理豆知識No.8<労働条件不利益変更の要件>
- 「人」についての経営相談実施中!
- 労務管理豆知識No.7<労務管理の重要性>
- 労務管理豆知識No.6<就業規則と経営理念>
- 労務管理豆知識No.5<若い社員の意識>
- 労務管理豆知識No.4<社員と経営者の絆>
- 労務管理豆知識No.3<社員教育について>
- 労務管理豆知識No.2<残業削減のポイント>
- 労務管理豆知識No.1<職場の人間関係>
- 労務管理